札幌五輪はIOC極秘調査でも低支持率…道民が気をもむ老朽施設改修費と分散開催のリスク
支持率低迷に悩むのは政治家だけではない。
2030年札幌五輪招致は「国民の理解」が課題とされてきた。今年3月に市が行った意向調査では「賛成が52%で過半数」と発表されたが、4月に北海道新聞が実施した世論調査では賛成42%、反対57%と数字が逆転。市の調査は誘導的なものもあったとされ、数字の信憑性も疑われていた。
スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏が言う。
「過去の招致でも行われていることですが、札幌でもIOC(国際オリンピック委員会)が独自に候補地での世論調査を極秘に行ったところ、過半数を割る相当低い支持率だったと聞きます。IOCも極秘のままでなく、ぜひ公開してほしいですが結局、他の候補都市が撤退するなど消去法で札幌が有利になってしまっているのも現状です」
道民や国民が最も気をもんでいるのが莫大な開催費用だ。そり競技施設が道内になく、国内唯一のそり施設がある長野市での開催が検討されているが、この施設は年間2億2000万円という高額の維持費がネックとなり、18年に製氷停止。札幌五輪が決まれば稼働再開となるが、それに伴う「復旧作業」費用は未知数だ。