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北島純映画評論家

映画評論家。社会構想大学院大学教授。東京大学法学部卒業、九州大学大学院法務学府修了。駐日デンマーク大使館上席戦略担当官を経て、経済社会システム総合研究所(IESS)客員研究主幹を兼務。政治映画、北欧映画に詳しい。

5本の映画で理解する「カルト」の真の恐怖 「サイレントヒル」も必見

公開日: 更新日:

 人はなぜカルトにはまるのか。スティーブン・キングの小説が原作のフランク・ダラボン監督「ミスト」(2007年)は、その心理状態をリアルに描く。突如として霧に覆われた町で人々は魔界の化け物に襲われ商店に逃げ込む。

「神の裁き」と叫ぶ狂信者(マーシャ・ゲイ・ハーデン)を当初は邪険にするも、次第に従うようになる人々。閉鎖空間の中で不安と恐怖に耐えきれなくなり理性を失うのだ。恐ろしいのは化け物ではなく人間であることが暴き出される。閉鎖されたカルト空間からの脱出は可能か。

■大使館もグルだった「コロニア」

 チリのピノチェト軍事政権下で実在した収容施設を舞台とする「コロニア」(2015年)は、ナチス残党が「教皇」として支配するカルト集団の恐怖を描く。主人公レナ(エマ・ワトソン)は恋人のジャーナリストを救出するべく命を賭して潜入するが、そこは軍事政権と結託した拷問施設だった。

 実態を暴く証拠写真を持って脱出するが、助けを求めたドイツ大使館もコロニアとグルだったという展開は、カルトが政治と結託するといかに絶望的かを問うている。

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