立川談春の独演会に出演「『おまえのこと、認めたよ』という意味合いの笑いと拍手でした」
若手は修羅場をくぐって成長していくものだ。
「二つ目時代、独演会に客が集まらないことを嘆いた時、アドバイスしてくれたことも含めて、談春兄さんは僕にとって恩人です」
三三の転機となるもう一つの出来事は、映画の監修をしたこと。これには私が関わっている。旧知の映画プロデューサーから、落語家が主人公の映画を作るので、主演の国分太一に落語を教えられる若手を紹介してくれと頼まれ、三三を推薦したのである。
「お話を頂いたのが、真打ち披露興行の直前でして、準備期間と撮影で2カ月かかるという。普段ならとてもそんな時間はないのですが、披露興行は5人一緒だったので、出番は10日に2日、残りの8日は空いてたんです」 =つづく
(聞き手・吉川潮)