徳光和夫は居眠りでギャラも視聴率も稼ぐ テレ朝「路線バスで寄り道の旅」の舞台裏
とくに出かけることもなかった日曜日の午後、オトーサンたちはソファに寝転がり、気の早い向きは晩酌をやりながら、テレビのリモコンをカチャカチャとせわしなく動かして、ゴルフ中継、競馬、大相撲、そして徳光和夫と田中律子の「路線バスで寄り道の旅」(テレビ朝日系)を見るでもなく見ているに違いない。
徳さんと律ちゃんとゲストが路線バスで都内を巡ったり、せいぜい箱根あたりに出かける程度の旅ともいえない旅番組で、名所・旧跡を訪ねたり、老舗料亭でごちそうを食べるわけでもない。この日はゲストの三宅裕司が生まれ育った町ということで、神田・神保町をスタートして日比谷、下北沢と巡った。途中、例によって、激戦区のカレーをかき込み、明治大学の落語研究会をたずね、シモキタの本多劇場前がゴールだった。徳さんはやはりバスの中ではずっと居眠りをしている。これで、たまに世帯視聴率10%オーバーと堅調なのは、オトーサンたちの支持によるものだろう。
バスを乗ったり降りたり、ときには乗り損ねたり目的地にたどり着けなかったりと、行き当たりばったりに見える番組だが、もちろんそんなことはない。バス会社や訪れる店とは事前にちゃんと打ち合わせしてある。