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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

尽きることない好奇心 黒柳徹子に「人生の総決算」なんて考えはない

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 しかし、黒柳徹子はこんな場面でも黒柳徹子のままだった。バスの中に「これはヤバい」という雰囲気が流れた時に、彼女は突如、舞台「幸せの背くらべ」で演じた92歳の老婦人の口調で話し始めたのだ。「まったく、こんな老い先短い私を捕まえて、何になるのかしらねえ!」と(太田出版「ケトル」vol.31=16年6月15日発売)。バスの中は爆笑に包まれた。恐れてないように見えたから良かった、恐れていたら何をされていたか分からなかったと後で言われたそう。彼女が「死ぬ気がしない」と言うのも、うなずける。

 同世代の美輪明宏が「徹子の部屋」(22年10月10日)にゲスト出演した際もこんな会話をしている。「今が人生の総決算期だと思っていらっしゃるとかって」と黒柳徹子が聞くと「そうは思わない。あなたもそうでしょ?」と答える美輪。「思ってない、別段」「同じ」「じゃあ、おんなじね。あんまりホントに思わないわね」と言い合った。彼女には「人生の総決算」なんて考えはないのだ。

 冒頭の番組では「100までは生きるだろうと思ってるので、100になったらどんな気持ちがするものかね、それはちょっと考えてみたいなと思いますね」と語っていた。その尽きることのない好奇心で、黒柳徹子はテレビで生き続けていくに違いない。

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