“TKサウンド”のブレーン喜多村豊氏の現在地 小室哲哉と歩んだ30年と今後のビジョン
TMネットワークのプロデュースに誘われた
卒業後、小室君と会うことはなかったんですが、30歳の頃、たまたま知り合いが「子供が早実を受験するんだけど、あるOBの髪を持ってると受かるらしいって言っていて、つながる人を紹介してもらえないか?」と言うんです。
「誰?」と聞くと、「小室等」。「それ、小室哲哉じゃないの? だったら俺の出席番号2つ後ろに座ってましたよ。ずいぶん会ってないけど聞いてみる」と言ったのが始まりでした。すでにTMネットワーク(TMN)として活躍していた小室君の実家に電話して、お母さんにつないでもらいました。
ちょっと面白い都市伝説(?)のおかげで再会し、改めて近況を聞かれ「流通に強く20万店舗ぐらいは教育を含め影響力がある」と伝えると、小室君は20世紀を締めくくる、TMNの最後のコンサートをやりたいんだと構想を語り、91年にTMNのプロデュースに誘われたんです。
「3億用意して」とサラッと言われましたが、今まで踏み入れたことのない分野だけど、“商品”が“小室の音楽”にかわったと捉えて面白そうだなと思った。