坂上二郎さんは普段から舞台と同じ 自分でしゃべって自分で受けてる
で、前の番組からのつながりで二郎さんも「カックラキン」のレギュラーで出演されていて、アタシのお父さん役だった。二郎さんと初めてお会いしたのは「なんでそうなるの」のとき。何度かゲストで出させてもらったし、本番でもずいぶん笑わせてもらいました。二郎さんて、いつも本気の全力投球って言ったらいいのかな。普段も舞台と同じ熱量で、笑うときも本気で笑っているの。自分でしゃべって自分で受けているんです(笑)。
でも、素顔はかなり厳しい方。とくに礼儀とか言葉遣いにはうるさい。笑いとか舞台上のお芝居のこと以上に、日ごろのお行儀には厳しい方でした。それでとてもきちょうめん。
とにかく「カックラキン」には堺正章さん、沢田研二さん、それに新御三家でしょ。百恵ちゃんやみづえちゃんに淳子ちゃん。そしてたのきんトリオ。当時人気のタレントさんをみんな集めちゃった。だからその力の入れようは半端じゃなかった。そこに、二郎さんでしょ。
若いみんなが浮つかないように重しの役。きちんとしているだけじゃなくて、朗らかだから、何かあってもその場を和ませてくださる。やっぱりあの朗らかな笑いと修羅場をいくつもくぐってきた経験があって、あの雰囲気が出せるんでしょうね。
こう考えてみるとアタシの周りには常にお笑いのレジェンドたちがいたんですね。自分の歌がヒットする前からバラエティー番組に使ってもらって、現場の笑いを勉強させてもらった。そんな経験が今ではかけがえのない財産になっています。
(構成・藤井優)