TV各局「ジャニーズ問題検証番組」はお手盛り超薄味…テレ朝は報道機関の役割放棄

公開日: 更新日:

「Mステ」「スマスマ」、ハワイ接待など視聴者の関心には一切触れず

 これで各局検証番組が出揃ったが、早くに番組を放送したNHK日本テレビに比べ、後手に回った局ほど内容が薄いという結果には呆れるばかり。当初から検証番組を制作すべきと話していた同志社女子大学教授(メディア論)の影山貴彦氏は「テレビ局は自ら反省しているトーンを出すのが思いのほか下手」としてこう続ける。

「NHKがいち早く検証番組を制作し、民放各局に波及したのは評価に値すると思います。ただ、視聴者に見てもらうための、放送時間帯、告知、引き付ける内容面で十分とは言えない局も多かった。フジテレビは土曜日の午後に放送したが、グループネット局では放送時間帯が各局に委ねられ、私が住む関西では日曜の早朝放送でした。

 他局も番組の放送をギリギリになって告知していたり、番組表に具体的に『特別番組』とだけ表記していたり、コッソリ放送してやり過ごしたいように受け取れるところが散見されました。TBSは『報道特集』の中で事のあらましを説明する部分が多く、当事者感が薄かった点が印象に残りました。これに関しては安住紳一郎アナが今後は局全体で取り組むということも発言されていたので、期待したいところです。

 テレビ朝日も、社内アンケートで忖度していたと思う人は7人と出しているけれども、どの母集団をもって7人なのかデータの基準が不明。ならば『ミュージックステーション』のスタッフはどう思っていたのか聞きたかった。フジテレビも同じで『SMAP×SMAP』について視聴者は聞きたかったはずなのに一切触れておらず、視聴者としては消化不良な内容でした。テレビは当事者であり、厳しく言えば加害者でもあります。事務所との関係をクリアにしてからジャニーズのタレントを起用すべきですし、これでみそぎが終わったわけでもない。お得意の“風化”を待つのではなく、今後も検証の継続が必要です」

 こんな超薄味のお手盛り番組で乗り切ったと思っていたら大間違いである。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  2. 2

    中居正広の騒動拡大で木村拓哉ファンから聞こえるホンネ…「キムタクと他の4人、大きな差が付いたねぇ」などの声相次ぐ

  3. 3

    木村拓哉は《SMAPで一番まとも》中居正広の大炎上と年末年始特番での好印象で評価逆転

  4. 4

    中居謝罪も“アテンド疑惑”フジテレビに苦情殺到…「会見すべき」視聴者の声に同社の回答は?

  5. 5

    中居正広9000万円女性トラブル“上納疑惑”否定できず…視聴者を置き去りにするフジテレビの大罪

  1. 6

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  2. 7

    フジテレビは中居正広で“緊急事態”に…清野菜名“月9”初主演作はNHKのノンフィクション番組が「渡りに船」になりそう

  3. 8

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  4. 9

    若林志穂vs長渕剛の対立で最も目についたのは「意味不明」「わからない」という感想だった

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース