街裏ぴんくが魅せた「漫談の底力」…苦節20年でついにR-1グランプリ2024優勝
芸歴20年。今回のR-1では、芸歴制限が撤廃されたチャンスを見事ものにした。優勝会見で街裏はこう語った。
「20年も売れずにやってきた。最初3年は漫才をやって、解散してからの17年、本当に漫談が好きなんで、信じてやってきました。ザコシショウさんの“続けるのもセンス”という言葉があって、20年もやってきたのだから、自分の中でも、辞めないセンスがあったのかもしれないです」
SNS上では、称賛の声があがる一方、「どこが面白いのかわからなかった」「自分には刺さらなかった」など、賛否両論が巻き起こった。お笑い評論家のラリー遠田氏はこう話す。
■多様化するピン芸
「お笑いファンの間では、10年ほど前から実力は認められていて、いつブレークしてもおかしくないような状態でした。ピン芸も、フリップや映像、音楽や小道具を使ったり、ひとりコントだったり多様化してるので、『漫談』というのは、最もオーソドックスでクラシカルなスタイルです。いろいろなやり方が出てきているので、相対的に漫談をやる人が減っているように感じるかもしれません。さらに、ぴんくさんの漫談は、漫談の中でも独特のものです。“全部ウソ”という前提のうえで楽しむもの。すごく斬新なんですよ。ただ、初見の人は、どう楽しんだらいいかわからないという人もいたかもしれません」