オードリーはなぜギネス記録を達成できたのか? 東京ドームライブで15万人動員の謎解き
「それまでの王道を歩んでこなかったことが、逆にオードリーの個性になったのではないでしょうか。ボケ、ツッコミを入れ替え、ラストイヤー間近になってM-1準優勝を果たした遅咲きの漫才コンビですし、05年ぐらいにBSフジとニッポン放送の『お笑いネクストブレーク ANNへの道』ってイベントでネタと5分ぐらいのトークに挑戦した際には、審査員から“トークにそつがなさすぎる”と言われたと若林さんが語っていた記憶もあります。要は漫才もトークも最初から才能を認められていたわけじゃないんです」
しかし、それが彼らの最大の武器となったという。
「その分、悩みながらアップデートし続ける若林さんには共感できるところも多いし、とがった芸人やベテランにありがちな押しつけがましさもない。春日さんは春日さんでマイペースにいろんなチャレンジを続けていて今や風格さえ漂っています。さらには、高校時代の友人や下積み時代にお世話になったショーパブ芸人を番組に招いたり、見込みのあるハガキ職人と交流したり、スタッフをチーム付け焼き刃と名付けてイジったりと、ラジオを通じてオードリー特有のエンタメをつくっていった。その手作り感が、誰にも真似できない武器になったんだと思います」(鈴木氏)