「侍タイムスリッパー」を時代劇研究家も絶賛!異例ヒットの秘密は「生身の殺陣」にあり
生身の体を使った殺陣に原点回帰
確かにこの映画の魅力の一つは、クスリと笑えるコメディー要素と手に汗握る圧巻の殺陣シーンのギャップにある。
「殺陣を担当された清家一斗さんは、東映京都撮影所の伝説的な殺陣師・清家三彦さんの息子さん。殺陣の世界ではすでに有名な方ですが、三彦さんを超える殺陣をと奮闘したのだと思います。クライマックスの緊迫感あふれる一対一の長い殺陣は最大の見どころです。京都の撮影所で時代劇を撮るからには、とことん殺陣を見せたいという監督の強い覚悟を感じましたし、ここまでできるんだということを見せたかったんでしょうね。今、CGなどを駆使していろいろな表現もできるのですが、やっぱり人間が生身の体を使って表現する殺陣の面白さに原点回帰したかったところがあったのだと思います」
監督の情熱にほだされて、「東映剣会」の役員や会長を歴任した殺陣師役の峰蘭太郎、敵役の冨家ノリマサ、住職役の福田善晴など、長年、時代劇で数多くの殺陣を演じてきたレジェンド級の俳優たちが大集結している。
「時代劇が衰退し、十分な予算もない中、“これは絶対作るべきだ”という熱い思いに満ちあふれていて、その方たちが長年培った技術の粋が余すところなく投入されているのがわかります。これはタダものじゃありませんよ。それが見ている側にも伝わって現在のヒットにつながっていると思います。ぜひスピンオフ作品などもやって欲しいですね」
エミー賞を獲得した「SHOGUN 将軍」とタイプは違えど、こちらも世界に打って出るべき作品だとペリー氏は付け加える。“時代劇再ブーム”がやってくるかも知れない。
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