著者のコラム一覧
高倉文紀女優・男優評論家

札幌市生まれ。女優・男優評論家。Webサイト「タレントパワーランキング」(アーキテクト=https://tpranking.com/)、雑誌「日経エンタテインメント!」(日経BP社)などで女優や女性アイドルなどの取材・分析を手がけるほか、テレビ番組や週刊誌などにコメントを提供。インタビューしたことがある現役の女優は300人以上を数える。note個人クリエーターページ(https://note.com/tokyodiorama/)。

杉咲花は「光と影の女優」だ どちらにも繊細な陰影を付けて演じ分ける

公開日: 更新日:

 彼女は、登場人物の「光と影」をさまざまな作品で演じてきた。最近の主演ドラマでは2021年の「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」(日本テレビ系)、2024年4月期の「アンメット ある脳外科医の日記」(カンテレ・フジテレビ系)での好演も印象的だったが、2022年のNHKドラマ「プリズム」では、テラリウム(ガラス容器の中に植物や生物を配置して作る作品)を作る園芸店アルバイトを演じ、叙情的な演技を見せた。

 どの主人公も明るいキャラクターで、そこに繊細なタッチで陰影を付けられるのが、杉咲花の演技の特長だ。だから、彼女は、テレビドラマと映画の両方と相性が良く、親しみやすさの中にある深さが、心の奥で響く。

 今回の「海に眠るダイヤモンド」の朝子も、単に明るく元気なだけの人物ではないと予想される。

 彼女が10代のころに何度かインタビュー取材したが、素顔の杉咲花は温和で、マイペースで、映画「愛を積むひと」の撮影で行った北海道の思い出を話していたとき、急に思い出して「あっ、私はしろくまが好きなので、開いた時間に旭山動物園に行きました。かわいかったです」(雑誌「girls!」vol.43)と笑顔で話してくれて、無邪気な一面を感じた。

 杉咲花を秋のメニューにたとえるなら、栗ごはん(和栗)。噛みしめると多彩な味わいを見せて、あったかな気持ちにさせる。そして、本物の味がする。 (次回は松本若菜

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 2

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  3. 3

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  4. 4

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  5. 5

    阪神・藤川監督が酔っぱらって口を衝いた打倒巨人「怪気炎」→掲載自粛要請で幻に

  1. 6

    巨人・小林誠司に“再婚相手”見つかった? 阿部監督が思い描く「田中将大復活」への青写真

  2. 7

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差

  3. 8

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  4. 9

    フジテレビを救うのは経歴ピカピカの社外取締役ではなく“営業の猛者”と呼ばれる女性プロパーか?

  5. 10

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された