「日本最高齢の女性映画監督」山田火砂子さん(享年92)の「お別れの会」が開催
根底には弱者へのまなざし
「日刊ゲンダイ」(2024年新春号)でも、「相模原市の障害者施設大量殺人事件(2016年)」に触れ、「本当の『共生社会』はどうあるべきか。私自身も障害を持つ子を育てましたが、相模原の事件の犯人が『意思疎通のできない人は社会に必要ないから殺すべきだ』と主張していて、それに賛同する人がインターネット上でたくさんいるなんて信じられないと思って。それは昔の軍隊(日本軍)と同じ発想ですよ。人を人とも思っていない、役に立たないやつはいらないって。そういう考え方が戦争につながっていくんです」と喝破していた。
敗戦時に住んでいた新宿区上落合周辺は、空襲で1000軒近くが焼け出され、近所の人の黒焦げの死体や、首がなくなっている赤ん坊の死体も見たと怒りを込めた口調で話していた。
自身もクリスチャンだったが、その根底には常に、国家や社会に虐げられる者、女性や障害者、貧者など、”弱き者“への優しいまなざしがあった。
今でも「現代ぷろだくしょん」のサイトで各作品の上映予定などが掲載されている。監督の思いがこもった作品は永遠に残り続けるだろう。
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山田火砂子監督は日刊ゲンダイでもたびたび取り上げている。詳しくは関連記事をご参照ください。