志村けんさん没後5年でも色褪せない凄み 田代まさしと「あうんの呼吸」で魅せたコントが話題
一方、1986年初回放送の特番「バカ殿様」では側用人役でボケを担当。バカ殿(志村)が食事をしながら食リポっぽい感想を口にすると、田代が「くいしん坊!万才」とミニ料理番組のオープニングを演じ始める。「静かにしろ!」と叱責され一度は退席するも、懲りずに「おはようございます」と“寝起きドッキリ”のリポーター役で臨む田代。
このボケに志村が「あら、やだー!」と寝起きのタレントを演じて乗っかり、最終的に「うるせぇな」とツッコんで落とす。当時、実際に田代は「スターどっきり㊙報告」(フジ系)で寝起きドッキリのリポーターを担当していたため、それを生かしたのだろう。
2006年~19年に開催された舞台「志村魂」では、バカ殿様と変なおじさんを必ず披露し観客の期待に応えていた志村。他方、関係性が近くなければ面白いコントはできないという持論もあった。志村は、著書「変なおじさん【完全版】」(新潮文庫)の中でこう書いている。
「コントは、1人きりでやる落語とはちょっと違う。(中略)僕と田代や桑野(信義)なんかの場合、毎日一緒にいるわけじゃない。せいぜいが週に2日。それで当時は一緒にコントをやり始めたばかりだとなると、やっぱり一緒に飲みに行ったりしてワーワーやって、あうんの呼吸でコントをできるようにならないとダメだ」