お笑いトリオ「ロバート」馬場裕之さん「住みたいと思う場所はだいたい『食』から入る気がします」
家事も洗濯も苦じゃない。事実婚でいい
こうして考えてみるとやっぱり一度は移住してみたいですね。きょうだいはみんな結婚して家庭を持って、母親孝行もしてくれてるんで、僕は好きなことをやって自分の人生を楽しもうかな。
結婚願望もないし、そもそも結婚という形にこだわりもない。事実婚でいいじゃないですか。だいたい結婚したら自由がなくなるでしょ。移住だって、家族みんなで行かなきゃいけなくなるし(笑)。
料理もできるし、家事もまったく苦じゃないですしね。洗濯も面倒だと思わない。昨日も結構飲んで帰ったけど、夜のうちに洗濯機をすすぎまで回して、朝起きて脱水して干して、風呂入って生放送の仕事をしてきました(笑)。
出かける時はルンバを遠隔操作して掃除。帰りに食材を買って、お酒に合うつまみを作って、飲んで一日を終える。それがすごく楽しい。今回の本でもおつまみをいろいろ紹介してますけど、お酒が飲めないと、つまみ系のアイデアって出てこないと思います(笑)。
YouTubeでは誰でも買える食材で、簡単な工程でもおいしく作れるように心がけてます。宮古島のお店ではこれからもできるだけこだわって、オリジナルなものを出したいと思ってます。僕、お笑いのネタよりレシピの方が思いつくタイプなんですよね(笑)。
登録者126万人なんて十分すぎるくらい。最初はコロナ禍で「やることないし、やってみますか」って軽いノリで始めたんです。それがここまで続いたのは、プロデューサーや制作スタッフさんのおかげです。サムネイルも自分では作ってないし、レシピ本の企画は事務所が全部仕切ってくれました。支えてくれる人がいたからこそ、ここまで来られました。
全国の生産地を巡るロケ番組もやっていたので「鮮度が違うとこんなに味が変わるんだ」と、仕事で食材の勉強をさせてもらいました。
芸人じゃなかったらそういう仕事も来なかったと思うし、好きな料理で経験を積ませてもらえてありがたいです。何より見てくれている視聴者の皆さんのおかげ。僕にとって料理は日常なんで、それをやっているだけで、こんなに注目してもらえるなんてなかなかないことです。本当に皆さんに感謝しかありません。
(聞き手=浦上優)
▽ばば・ひろゆき 1979年3月生まれ、北九州市出身。お笑いトリオ「ロバート」のメンバー、ボケ担当。近年は料理芸人として注目を集め、冷麺専門店など飲食店の経営も手がける。YouTubeチャンネル「馬場ごはん」は登録者126万人を超えた(4月2日現在)。今年2月、初のレシピ本「馬場ごはんベストレシピ ロバート馬場のばばっと作れて一生うまい!」(Gakken)を刊行。チャンネルを開設した2020年から約5年にわたって公開してきたレシピ動画から厳選したものを紹介している。