愛人バンク「夕ぐれ族」筒見待子の転落人生
案内書では「特定の相手と交際するのだから売春ではありません。当会はあくまでも紹介するだけで、あとはお互いの自由交際」と説明。それがどうして逮捕に至ったのか。83年8月末、オフィスに泥棒が入ったのがきっかけだった。
犯人は「盗んだ会員名簿を3000万円で買い取れ」と要求。指定された場所に現れた男2人を夕ぐれ族の従業員が取り押さえ、警察に突き出した。警察は証拠物件として会員名簿を押収。そこに出ていた会員を事情聴取すると女性会員は複数の男性を紹介され、デートのたびに3万~5万円のカネを受け取っていたことが判明。警察は夕ぐれ族の摘発に踏み切った。
逮捕で筒見が月30万円で雇われる人寄せパンダにすぎなかったことが判明。それまで語っていた経歴もほとんどがウソだった。1部上場商社の役員だったはずの父親は小さなクリーニング屋の店主。小学校から大学まで一貫教育の女学校に通っていたというのも、まったくの詐称。地元の女子高を1年足らずで中退して、定時制高校に編入し卒業した。その後は喫茶店、弁当屋、事務員、バニーガールなど、アルバイトを転々としていた。