特別編<2>「八千草さんは身近な聖処女なんです」
碓井 「やすらぎの刻(とき)~道」から登場する新顔の女優さんもたくさんいらっしゃいますが、まずは前作「やすらぎの郷」に出演した浅丘ルリ子さんや加賀まりこさんはお元気なわけですね。
倉本 ますます元気ですね(笑い)。
碓井 残念ながら何人かの方が(現実の世界やドラマの中で)亡くなったり、施設を去られたりしました。
倉本 ただ八千草(薫)さん演じる九条摂子を殺しちゃったのは僕の中で誤算でした。執筆当時は続編を作るなんて思いもしなかったですから。
碓井 すでに、八千草さんが亡くなるという強い“カード”を切っちゃったわけですね。
倉本 そうなんです。八千草さんは「やすらぎ」の象徴だから新作にもいてくれないと困る。でも、こちらの都合で生き返らせるわけにはいかない。それで視聴者の皆さんに馴染みのある九条摂子というキャラクターを、脳内ドラマの主人公にしようという発想をしたんです。
碓井 八千草さんとは、これまで何本も仕事を一緒にされていますが、倉本ドラマで八千草さんが亡くなるなんて、「やすらぎの郷」が初めてだったのではないでしょうか。
倉本 ええ。