裸の遺影から7年 兎丸愛美はなぜ「ヌードモデル」を名乗る
ある映画関係者は「彼女には壇蜜のような儚さや芯の強さを感じる」と評する。ヌードモデルの兎丸愛美(26)は19歳の時、死を意識してヌードの遺影を撮った。それがすべての始まりだ。7年が過ぎた今、同世代の女性たちから多くの支持を集める“自然体にこだわる表現者”になった。その本音に迫る――。
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「今でも声を大にして『私はヌードモデルです』って言えなかったりするんです。私は6人きょうだいの末っ子で、いつもお姉ちゃんやお兄ちゃんに劣等感を抱いているような子供でした。そのくせ見えっ張りでプライドが高い。しょうもない嘘もつきまくってました。そんな嫌な自分と決別することができたのは裸になってからです」
SNSで知り合った見ず知らずのアマチュアカメラマンの前で裸になった。生き惑い、思い悩んでいた当時、最後ぐらいは自分らしくありたいと遺影用の撮影を依頼したという。
「それから少しだけ自分を肯定できた気がして、どんどん写真の世界にのめり込んでいったんです」
ノーギャラで撮影を引き受けたり、まったく仕事がなかったこともある。それでも〈ヌードモデル〉の肩書にこだわるのは、ほかの誰でもない、自分自身でありたいからだ。