初公判では淡々と…ピエール瀧が消せない復帰への懸念材料
麻薬取締法違反(コカイン使用)の罪を問われているピエール瀧被告(52)の初公判が5日、東京地裁で行われた。
一般傍聴席21席に対し1266人が集まり、倍率は60倍。法廷に現れた瀧は黒のスーツ姿で、保釈時よりも前髪がいささかサッパリした印象。全体を見回し、記者席に旧知の制作関係者を見つけると会釈するなどしていた。起訴内容を認め、職業を問われると「ミュージシャンをやっておりますけれど、事務所を解雇されたので無職です」と語った瀧。
薬物をやめられなかった理由について「本来はストレスを解消するのにほかのものを見つけるべきだったが、心の甘さがあった。手に入れられる環境にあったことも大きな要因だったと思う」「俳優業など多様な仕事が入るようになり、こなしていくうちに時間的にも精神的にも生活を圧迫していきました」と、早朝から深夜まで仕事で、寝ている家族を起こしてまで自分のストレス解消に付き合わせるほど甘えられず、ひとり追い込まれていったことを明かした。
証人尋問では主治医で薬物依存治療を専門とする松本俊彦医師(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部部長)が瀧について「軽度で依存症には該当しない」とし、「薬物をやめられる可能性が高い」と証言した。20代の時から長年薬物を使用していたというと“重度の依存”に見えるが、松本医師によると心身共に健康で、健康な人とのつながりが保たれているため“回復の可能性が高い”のだという。