大腸がん<2>「親に心配かけないよう説明の言葉を何度も」
年の瀬、病院で「超音波(エコー)検査」「レントゲン検査」「呼吸機能検査」「血液検査」「胃の内視鏡検査」「大腸3D―CT検査」を受けた。クリスマスや正月もない、毎週の検査、検査である。
年が明けて2009年1月、両親や姉夫婦、親戚など多くの家族に見守られ、約5時間に及ぶ手術で、大腸全体の3分の1を切除した。
手術は無事成功した。しかし、「大腸に炎症が生じていました。そこでお腹に膿がたまっていて、まだくっついていない切開部を開けて、病室のベッドでお腹の膿を絞り出すのです。医師、看護師4人が私を押さえつけて、お腹の膿を出すという壮絶な処置が毎日行われました」。
切開した部分はまだ完全にふさがれていなかったが、1カ月後に退院し、自宅に戻った。
近所のクリニックに通院し、やはりお腹から膿を絞り、消毒するという治療が続く。
体調はもちろんまだ回復していない。とくにお腹の調子が悪く、食後は、気を失うほどの腹痛にも襲われた。