3月発売「酒を飲みたい気持ちを抑える」新薬は効くのか?

公開日: 更新日:

 となると、「飲んだらひどい目に合う」という心理的ブレーキがかかる抗酒剤に比べて、レグテクトや新薬の断酒のための治療効果は“弱い”のではないだろうか。これだけであの酒地獄から抜けられるのか、疑問を抱く人もいるだろう。

 しかし、アルコール依存症は、薬だけで回復していくものではない。認知行動療法や依存症当事者が集う自助グループ(AA・断酒会)への参加など、さまざまな方法で治療を行う。ほかの方法との組み合わせによって、飲酒量低減薬を使いながら断酒が可能になる人もでてくるかもしれない。むしろ、抗酒剤で挫折し、治療の機会から離れていた人が、再び治療につながる可能性がある。

「アルコール依存症に当てはまるほどではない。しかし、酒をやめたい」と思っている人もいるかもしれない。飲酒量低減薬は処方してもらえるのか?

「アルコール依存症と診断されていないなら無理でしょう」(斉藤氏)

 ただし、問題は本当に「アルコール依存症に当てはまるほどではない」のか、だ。飲酒により失っているものが多く、離脱症状などの身体症状も出ていてそれゆえに「酒をやめたい」のなら、すでにアルコール依存症の可能性が高い。飲酒が原因の家庭不和、健康面での問題、交通事故、遅刻や欠勤などの職業問題、犯罪に手を染める……などは過去になかっただろうか?

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 5

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  1. 6

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  2. 7

    豊作だった秋ドラマ!「続編」を期待したい6作 「ザ・トラベルナース」はドクターXに続く看板になる

  3. 8

    巨人・岡本和真の意中は名門ヤンキース…来オフのメジャー挑戦へ「1年残留代」込みの年俸大幅増

  4. 9

    悠仁さまは東大農学部第1次選考合格者の中にいるのか? 筑波大を受験した様子は確認されず…

  5. 10

    中山美穂さんが「愛し愛された」理由…和田アキ子、田原俊彦、芸能リポーターら数々証言