萩原健一さんは闘病8年 GISTではどんな治療が行われるのか
ある統計では、2センチ満の再発率は1%だが、10センチを超えると再発率70%以上。また、再発ケースの多くが3年以内だ。
「再発や手術が不適応な例では、分子標的薬イマチニブ(商品名グリベック)の治療になり、8割くらいは5年以上効果が見られます。しかし、やがて耐性ができ、細胞の再増殖が始まると、スニチニブ(商品名スーテント)に切り替え、これも効果なしと判定されれば、レゴラフェニブ(商品名スチバーガ)に切り替えます。スニチニブ、レゴラフェニブになると、最初のイマチニブに比べて増殖を抑えられる期間は短くなります」(三森教授)
レゴラフェニブの「次」はまだ承認されていない。新薬の臨床試験に参加する、経過観察、緩和ケアなどの選択になる。
関係者によると、萩原さんは亡くなる2日前の24日には、妻の理加さん(モデルの富田リカ)と共にスポーツジムに通うほど元気だった。翌25日に自宅で倒れ、病院に救急搬送されたという。
「萩原さんの再発の有無や薬の状況が分からないので何とも言えませんが、イマチニブやスニチニブを継続して使うと、副作用の一つとして出血しやすくなり、脳血管障害や心血管障害のリスクも高くなります。ただし、継続使用の場合は、副作用の状態を医師が必ず確認しているので、致命傷になるほど使い続けることはありませんが……」(三森教授)
また1人、一時代を築いたスターが逝った。