相島一之さん 痔のクリニックで「厄介な病気」と言われ…
俳優55歳<GIST(ジスト)>
「GIST」という耳馴染みのない病気になりまして、手術からもう8年になります。ありがたいことに今は何事もなかったかのように過ごしていますが、一時は「死ぬのかな」なんてことを思ったりもしました。
GISTの日本名は「消化管間質腫瘍」といいます。胃がんや大腸がんは消化管の粘膜の表面にできますが、GISTは粘膜の下の筋肉層にできる悪性の「肉腫」。発生頻度は10万人に1~2人という希少な病気なんですって。
その肉腫が、私の直腸で握りこぶし大になっていたっていうのが2008年の初頭です。事の発端は、「便意はあるのにすんなり出ない」という排便困難でした。すごく踏ん張って出すと、細くて血がついた便が出てくるので「痔」だと思っていたんです。さすがに恥ずかしいのですぐには病院に行けなかったんですが、だんだんそうも言っていられなくなって、ネットで検索して新横浜にある痔専門のクリニックへ行きました。そこの先生に出会えたのが、運命のターニングポイントだったと思います。
その先生は肛門から指1本入れただけで「これは痔じゃありませんよ。ちょっと厄介な病気かもしれません」と指摘し、お尻からスコープを入れてモニターを見ながら「悪性かもしれないです」と言うんです。頭が真っ白になりました。「どうしよう……」ということしか頭に浮かびませんでした。