大量の雨が地盤を刺激 「台風27号」が大地震を引き起こす!?
台風27号が日本列島に接近している。今回も非常に強い勢力で北上しているというが、実は地震との関連性が指摘されている。これが心配だ。
「台風による気圧の変化が引き金になり地震のエネルギーが放出されることがあるのです」というのは、武蔵野学院大特任教授の島村英紀氏(地震学)である。
台風と地震の相関関係は、昔から研究されていた。
米マイアミ大学のシモン・ウドウィンスキ准教授(海洋地質学・地球物理学)とフロリダ国際大学の研究チームは、地表で活断層を抑えていた地盤が、豪雨や土砂崩れで押し流されることにより、重みが取り除かれ地震が誘発される、という仮説を立てた。ほかにも、いくつかの研究機関が、台風が地震を誘発するという研究結果を発表している。
元前橋工科大教授の濱嶌良吉氏(地殻変動解析学)は言う。
「地震は水の影響を受けるといわれます。台風に伴う大量の雨により、岩盤の割れ目に水が流れ込む。亀裂を大きくし、地盤に刺激を与える。実際、大きなダムを造ると、直後に大きな地震が起きるのです。中国の三峡ダムの周辺や富山県の黒部ダムも貯水開始直後から地震が起きています。地盤の刺激が崖崩れだけでなく地震も引き起こすことは考えられます」