【悪人】井伏鱒二の「白毛」は隠微で手の込んだ自虐の極致
釣りをめぐる奇妙な味わいの小説はいろいろあるのだが、井伏鱒二の短篇「白毛」などは、なんとも片づかない気味悪さという点で出色だろう。岩波文庫の「川釣り」に収められたエッセー風味の作品で、昭和23年、井伏鱒二が先輩として面倒を見ていた太宰治が、「井伏さんは悪人です」という文言を残し…
この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。
(残り1,290文字/全文1,430文字)
【ログインしていただくと記事中の広告が非表示になります】