野方「たからゆ」至近距離からの“おかわり熱波”に「もう、ムリー」
たからゆ(東京・中野)
西武新宿線野方駅南口から住宅街を歩いて7分ほど。1949年創業の「たからゆ」はエリア唯一の銭湯で、昨年10月にリニューアルしたと聞き、突撃した。
券売機で入浴料+貸しタオル付きサウナ代1020円とレンタルバスタオル代150円を購入。フロントで下足ロッカーキーと券を渡すと、サウナ用ロッカーキーを受け取り、手首にサウナ用バンドを巻いてもらった。男湯は偶数月がオートロウリュサウナ、奇数月がコンフォートサウナだという。取材日は、男湯がオートロウリュだった。
早速、服を脱いで浴場へ。湯はすべて地下約70メートルから湧出した井戸水を高純度軟水化していて、湯船は全3種類。
浴場でBGMのジャズを聴きながら、まず42度の冷水枕付きジェット座風呂に体を沈める。背中や腰、足裏を刺激されるタイプと、腹や臀部、足裏にボボボのタイプが各1床。その隣の高濃度炭酸泉は38度で弱酸性。先客は、広めの湯船にうっとりしていた。
外気浴エリアにあるシルキーバスは42度のマイクロバブル。3つを堪能すると、体はぽっかぽか。下地バッチリでサウナへGO。
ビート板を手に入室すると、クリームとこげ茶のコントラストがオシャレな耐熱レンガ造りは、ヒノキのストレート3段ベンチに定員12人。ほぼ満席の中、上段に空席を見つけてどっこいしょ。正面に遠赤外線ガスヒーターとオートロウリュマシンを見据える。ダブル熱源は110度弱。
ネット情報によると、20分ごとに8秒ほどのオートロウリュが3回。各5分間熱波が拡散され、アウフグースもあると、かなり熱くなるという。心の中で「シャーッ」と気合を入れた。
人気熱波師IMIさんが登場し、1分ほどの換気を経て、ZARDの「負けないで」をBGMにイベント開始。森小休(シンコキュウ)のアロマ水をサウナストーンに注ぎ、カンフーみたいな素早いタオルさばきで熱波を拡散。ほのかなミントの香りとともに激アツ熱波に襲われた。
全員に熱波を回し終えたら、次はブロワーでの熱波攻撃だった。ブホーッ、ブホーッ。無慈悲な激アツ爆風の連続に退散者が続出。曲が終わったときの“生存者”は5人とほぼ半減だった。
それでも「エクストラタイムのご希望は」の声に全員が「ハイ」。不気味なBGMに驚きながら、2回戦を見守っていたら、“おかわり熱波”は至近距離からのブロワー噴射だった。デスクワークで腰がつらい58歳。お尻を向けて腰を指さすと、容赦ない鬼アツが腰にバチバチッ。「もう、ムリー」と跳び上がり、退散した。
チラーで16度の水をたたえる湯船は、温浴施設初の高濃度バドガシュタイン鉱石造り。超軟水ラドン泉のバイブラが、あ~、気持ちいい。