ペットのがん手術どうする? 適切な選択肢の提案で飼い主の決断をサポート
ネコちゃんもワンちゃんも、さまざまな理由で口の中が腫れることがあります。
17歳のネコちゃんもそんな症状で、昨年初診に訪れた飼い主さんは「顎が腫れてエサを食べにくそうで」とおっしゃいました。
口を診察すると、患部は波紋状に広がった組織が認められ、歯の神経を圧迫して痛みがあり、歯肉は本来の硬さを失って脆弱に。独特の臭いもありました。
これらの症状から疑われるのは、皮膚がんの一種、進行した悪性のメラノーマです。
一般に良性の腫れは、エプーリスと呼ばれるイボや歯肉炎由来の感染による粘膜の肥厚で、消毒などを徹底して患部を清潔にすれば治療せず問題ないことがほとんど。悪性との鑑別はそれほど難しくありません。
■セオリーは麻酔下で、丸ごと切除だけれど…
今回のような悪性腫瘍が大きくなると、舌の動きや咀嚼を障害し、生活に支障が出ます。転移のリスクもあるため、セオリーとしては麻酔下で大きくなる前の丸ごと切除です。