「不登校は心の病です」日本初の不登校専門クリニック院長がズバリ! 治療法はあるのか?
子どもは「気持ちの問題」で片付けられる矛盾
【Q】精神疾患が原因の不登校を見分けるコツは?
【A】これだけ同調圧力の強い日本で理由もなく学校に行きたくない、行けないということは相当なこと。会社勤めしている大人が急に会社に行きたくないといったら周りは真っ先に精神科の受診を勧めるのに、子どもだけ気持ちの問題や怠け心だとするのはおかしな話です。
また笑顔があるからといって安心はできません。うつ病や不安障害の子どもも結構笑います。子どもは笑っている状態がスタンダードなので、なかなか笑顔はなくなりません。
笑顔がなくなったら入院レベルの重症だと私は捉えています。
【Q】子どもが不登校になったらどうすれば?
【A】いじめやその他の明らかな問題がなければ精神疾患を疑ってください。児童精神科や小児神経科といった専門医療機関が近くになければ、小児科の先生に相談してください。専門的な治療や診断はできないかもしれませんが、次の行動の提案はしてくれるはずです。
子どもに必要な医療を受けさせるのは大人の責任です。今はまだ気持ちの問題と片付けられることが多い不登校ですが、近い未来には医療機関に相談することが当たり前の時代になるでしょう。ぜひ勇気を持って一歩を踏み出してください。
(聞き手=いからしひろき)
▽飯島慶郎(いいじま・よしろう) 出雲いいじまクリニック院長。1977年、島根県出雲市出身。2002年3月、島根医科大学医学部医学科卒業。同大医学部付属病院研修医、三重大学医学部付属病院総合診療科専攻医などを経て、2018年、全国初となる不登校診療専門クリニックを開設。不登校の背後には子どもの精神疾患があるとし、独自の診療法を確立。これまで延べ130人以上の不登校児を改善に導く。自身も不登校経験の娘を持つ父親である。