著者のコラム一覧
多賀一晃生活家電.com主宰

大手メーカーで商品開発、企画を担当後に独立。「生活家電.com」主宰。

(47)今、存在しない家電はクラファンで「応援購入」すると、かなり割り引かれる

公開日: 更新日:

 家電のマーケティングは多くの場合、自社の製品を購入してくれたユーザーの不満点をつぶす手法を取ります。メーカーの数も多いため、市場シェアを失わない方法を取るわけです。メーカーの新製品に新味がないのはこれが原因です。

 家電だけでなく、モノは不具合を感じた人が知恵を駆使してそれを解決する形で、歩みを進めてきました。「必要」は発明の母。一番重要なのは「必要」であり、「不満」ではありません。

 ただ、「不満」もうまく育てると「必要」に育ちます。特徴ある新製品は、そんな時に生まれます。ですが、この「必要」は当事者以外にはなかなか理解されません。

 ダイソンが掃除機のサイクロンシステムを生み出した時、さまざまなメーカーに「使いませんか」と声をかけましたが、答えは「ノー」。結局、ダイソンは、自分で会社をつくり、サイクロンシステムを搭載した掃除機を生産・販売して一世を風靡しました。ダイソンの「必要」はユーザーにとっても「必要」だったわけです。

 このように「不満」と「必要」は見分けにくい。メーカーの若手にアイデア出しをさせると、「不満」がたくさん出ます。中には「必要」もありますが、メーカーの都合もあり、全部採用はできません。だからといって若手が会社を飛び出して、「必要」を世に出すのは極めて難しい。営業が一緒にいないと売り先までたどり着けないからです。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…