老後資金4000万円はホントに必要か? 大事なのはお金ではなくて「衣・食・住」
「老後資金は4000万円必要」
巷ではこんなことが言われ始めている。
「あれ? 2000万円じゃなかったっけ」
5年くらい前はそう言われていた。ただ、一部の専門家によれば、ある条件のもとでは、「まったく足りなくなる」と警鐘を鳴らす。いったいどういうことなのか?
簡単に言ってしまえば、「物価上昇率の差」である。新しいシミュレーション(年3.5%)では、「物価高で生活が大変になる」というのだ。
確かに足元でモノの値段が上がっている。われわれは「生活苦」を実感し始めている。食料品のみならず、通信・光熱費、なんでもかんでも上がっている。「4000万円くらい必要かも」──そう考えても仕方がないのである。
でも、彼らの計算は基本的に「鉛筆ナメナメの世界」。「仮に試算したらそうなった」というだけの話であり、実際はどうなるのかなんて分からない。だって30年前を思い出してほしい。
バブル崩壊後の1994年だ。世の中は不良債権だらけ。リストラ・就職難、企業倒産などが相次いだ。そこからデフレが30年も続くなんて、誰もが想像できなかったのである。世の中にジョン・タイター(2036年からタイムトラベルしてきたと名乗る人物)なんていない。未来を予言なんてできないのである。