(60)貝印の電動小型ホイッパー「生クリッチ」を衝動買いしたワケ
他の家電でもできることを専用の家電でしたいことがあります。トースターなどが典型例です。匂いが気になるからとオーブントースターをパンのトーストだけに使っている友人もいます。
昭和のアナログオーディオもそうでした。オーディオは音が変わることを楽しむ趣味ですが、こうすれば「音が変わる」が、いつしか「こちらの方がいい音」、そして最後は「こうしなければならない」と変化していきます。
ベルリンフィルの生演奏を聴いたこともない学生が、ベルリンフィルの音はこうあるべきだなどと口から泡を飛ばして熱弁をふるってカネを注ぎ込む。コスパの悪い趣味。いわゆる「道楽」。「こだわり」というより、もはや「道」と呼んでもいいでしょう。
オーディオにはなぜかコーヒーがつきもので、マニアは皆、一家言ありました。今のようにスペシャルティーコーヒーがない時代。不良豆が混入しているコーヒーに対して、あーでもないこーでもないと口から泡を飛ばしながら、自分の入れ方が一番と言うのですから、ほんと怖いもの知らずでした。