犬も猫も「耳血腫」を発症するが、猫は手術になりやすい
ワンちゃんやネコちゃんの耳が蒸れると、マラセチア菌などが増殖し、耳をかゆがって脚でかくことがあります。ワンちゃんだと、旅行で川遊びしたことで発症することも少なくありません。ネコちゃんでは、それとは別に紫外線アレルギーでかゆがるのが、この時季ならではです。
原因はともかく、耳を強くかき過ぎたり、強くぶつけたりすると、耳翼の血管が切れやすい。その結果、軟骨を挟んで皮膚に覆われた部分に流れ込んだ血液がたまり、耳が袋状に膨らんだ状態が耳血腫です。
季節のせいか、ワンちゃんとネコちゃんが1匹ずつ連れて来られました。ワンちゃんは手術せず治り、ネコちゃんは手術でした。その違いを紹介します。
治療は、たまった血液を抜くのが第一です。注射針でも可能ですが、痛がってパニックを起こすと危険なので、血管カテーテルが無難。耳翼が平たくなるまで血液を抜きます。血液を抜き切ったら、患部に丸めたガーゼを当てて密着させた状態でテーピング。その圧迫で物理的に止血したまま半日から1日キープします。エリザベスカラーは必須で、刺した部分の感染予防で抗生物質も投与します。