介護する飼い主もつらい…病気で苦しむ老ペットの“晩年の問題”
高齢者が介護状態になり、家族で世話をしきれなくなると、介護施設への入居を考えると思います。その施設にはいくつか種類があり、中でも公的な特別養護老人ホームは費用が安く、入居するのは大変です。実はペットも高齢化していますから、飼い主さんには“晩年の問題”が多くのケースでのしかかることをご存じでしょうか。
ペットで老後の問題が生じる原因として大きいのは病気で、1つは末期がん、2つ目は心臓病や腎臓病など慢性疾患の悪化、第3は認知症です。ヒトの場合と変わりません。順に見ていきましょう。
がんの場合、消化器系の末期では、巨大化した腫瘍によって食餌の通過障害が生じ、消化機能が停止。骨肉腫などでは激しく痛み、脳への転移や神経系の腫瘍だと神経系の症状が止まらなくなります。いずれも見ているだけでつらい。
慢性疾患では、ワンちゃんの場合は心臓弁膜症による肺水腫で咳が止まらなくなり、かなり苦しがります。ネコちゃんに多い腎臓病の悪化では、けいれんをはじめとする神経症状が続きます。尿毒症によるものです。これも飼い主にはかなりきついでしょう。