あなたは「ため口社員」をスルーできますか? イチローも「上下関係あってほしいと」母校野球部で説いたが…
教師に対してもため口を挟んでくる時代に、まあ、望み薄か。
ある中堅メーカーの人事担当者はこう言ってため息をつく。
「若手の中では優秀って言える社員でも、上司だけじゃなく、顧客相手に時々ため口が出てイラッとしたり焦ったり。でも上司がため口で強く注意すると、パワハラになりかねない。感覚が古いのかもしれませんけど、あいさつも目下から先にするって昭和の常識が通じません。もう指導するのが面倒になって、上司の方から部下に敬語を使っていたりします」
ため口社員は今後ますます増えるはず。多少の無礼はスルーできる胆力が必要になりそうだが、明大講師の関修氏(心理学)はこう言う。
「礼儀やマナーといった所作は日常の積み重ねで身につくもの。教育勅語を復活させろなんて暴論ではなくて、やはりある程度、子供の頃から家庭や学校で教えていかないと、一朝一夕ではどうにもならない。大学で就活の面接の仕方を指導したところで、それはあくまで付け焼き刃。入社後にボロが出る。イチローさんの指摘は的を射ていると思いますね」
確かに緩めるのは簡単だけど、これから戻すのは大変そうだ。