10月に誕生した「東京科学大」と統合に挫折した「静岡大学」と「浜松医科大学」の明と暗

公開日: 更新日:

 静岡大学は、このアンブレラ方式で浜松医科大学との統合・再編を目指した。旧浜松高等工業学校にルーツのある工学部と浜松キャンパスの情報学部が浜松医科大学と統合した浜松グループの大学、旧制静岡高校にルーツを持つ静岡キャンパスとが別に大学として独立し、一法人にこの二大学に属するアンブレラ方式である。

 ところが、公表後に就任した静岡大学の学長は、アンブレラ方式でなく、一つの大学に二つの分校を置く「一大学二校」案を提唱した。前情報学部長の副学長は、アンブレラ方式の支持者だ。来年度からの静岡大学学長の選挙がこの秋に実施され、現学長が当選したので、当面アンブレラ方式による統合は難しいようだ。浜松医科大学は「医学部におけるデータサイエンス人材育成」を研究テーマに掲げているが、独自な取り組みとなる。

 既存の国立総合大学などで医学部と理工系学部が医学連携に真剣に取り組み進展しているか、と言えば、そうとは限らない。学長選などで、教員数の多い医学部と理工系学部が対立してきた歴史のある大学も少なくないからだ。その点で統合や新学部創設などの組織再編などがあれば医学連携が活発化する可能性が高い。データサイエンスも含めた医工連携は、大学の文理融合の教育研究分野で起爆剤なるであろう。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース