「超音波装置」で割高手術に誘導? 飼い主を誤解させる手術のPRフレーズ

公開日: 更新日:

 新しい治療法や薬、医療機器が開発されると、期待して新しい方をチョイスしたくなるかもしれません。ヒトもそうでしょうし、飼い主さんが愛犬や愛猫を託すときもそうでしょう。その気持ちは分からなくもありませんが、動物のケースについて注意すべきポイントを紹介します。

「体に糸を残さず、時間を短縮して効率的に手術を行います」

 動物病院のHPやパンフレットなどには、手術の安全性をアピールしてこんなことが書かれています。この技術を可能にした医療機器が、超音波凝固切開装置です。超音波熱による摩擦で血管の端を接着し、切開ができる装置で、縫合の糸を使わず、手術時間を大幅に短縮して安全性も高いので、この表現そのものはウソではありません。

 しかし、ほかの表現が重なると、飼い主さんが誤解する可能性が高まるのです。その一文が、

「避妊や去勢をはじめすべての手術を超音波装置を使うことが可能ですからご相談ください」

 というものです。医学的な知識のない飼い主さんが2つの文を読むと、すべての手術で縫合糸を使わなくて済むと思うかもしれません。そして、「安全な装置ならわが子の手術もこの装置で」という思いになると思いますが、手術によっては糸での縫合が必要ですし、そもそもすべての手術に必要な装置ではないのです。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大阪万博の目玉 344億円の巨大木造リングはほぼフィンランド産…「日本の森林再生のため」の嘘っぱち

  2. 2

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  3. 3

    大阪万博「歯抜け開幕」ますます現実味…海外パビリオン完成たった6カ国、当日券導入“助け舟”の皮肉

  4. 4

    大柄で足が速くない僕を、なぜPL学園の中村監督はセカンドにしたのか

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    目黒蓮「劇場版 トリリオンゲーム」興収の"鈍い伸び"で見えてきた不安…キムタクに追いつく日は来るか?

  2. 7

    上沼恵美子が「中居正広問題」で痛恨の判断ミス…木村拓哉という“地雷”を踏んで大炎上!

  3. 8

    フジテレビ問題の余波がここにも! GACKTの「マジでくだらなすぎる」発言に中居正広ファン突撃

  4. 9

    明石家さんま100億円遺産「やらへん」でIMALU“親ガチャ”失敗も…「芸能界で一番まとも」と絶賛の嵐

  5. 10

    Snow Man目黒蓮「トリリオンゲーム」に早くも2つの難題…CDセールス、視聴率ともに苦戦必至