農水省が「備蓄米放出」の入札結果を公表も不十分…人気の“ブランド米”値下げ効果は未知数に

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 農水省は14日、コメ価格の高騰を受けた政府備蓄米放出の入札結果の概要を公表した。初回の入札数量約15万トンの平均落札価格は60キロ(1俵)あたり2万1217円となった。

 備蓄米放出の公表後もコメ高騰に歯止めはかからず、全国のスーパーで2月24日~3月2日に販売されたコメ5キロあたりの平均価格は3952円。前週から13円値上がりし、9週連続で上昇中だ。前年同期に比べ1922円も高く、上昇率は94.6%とほぼ倍増である。

 コメ価格の指標となる「相対取引価格」(集荷業者の卸売業者への販売価格)は直近1月分で、60キロあたり2万5927円。今回の平均落札価格に消費税分を加えても、直近の相対取引よりも約3000円ほど安い。さらに流通コストが乗り、卸売業者を経て小売業者に売り渡され、3月下旬にも店頭に並ぶ見通し。

 コメ高騰が収まれば、備蓄米放出は大成功と言えるが、不安は拭えない。今回、放出する備蓄米は、24道県が産地の計41品種に上る。入札対象は産地・品種・数量・保管倉庫の場所などで細かく分類され、ロット数は469に達する。ところが、農水省が公表したのは、あくまで全体の平均落札価格のみ。どの品種にどれだけの値が付いたのか、詳細な内訳はオープンになっていないのだ。

〈別表〉は農水省の入札公告をもとに、日刊ゲンダイが集計した放出備蓄米の上位10品種だ。全国の作付けシェア33.1%(2023年産)で断トツのコシヒカリの放出量は全体の7.2%。人気の新潟産に絞ると、1.8%まで下がる。また、8位以下には全国的には、なじみの薄い品種が並ぶ。

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