60代で「人生最高のセックス」を実現させるための“意識改革” 独り善がりはNG!
妻は下手な夫を完全スルー
この夫婦のようなケースはレスではないが、最高のセックスではない。妻の我慢の上にセックスも夫婦関係もかろうじて成り立っているに過ぎない。「ジェクス」の調査で男性は8割近くがセックスをしたいと回答しているが、女性は4割にとどまるのは、妻が身勝手な夫のセックスを嫌っている証左といえるかもしれない。
「仕事や子育て、疲労などでセックスレスになることはもちろんありますが、それでも妻が夫のセックスに感じているのなら、完全にレスになることはありません。週末や旅行のときなど、タイミングがよければ、夫の求めに応じるはずです。夫の要求を完全にスルーするのは、結局、夫のセックスがヘタなのです。ヘタな上に苦痛を伴うから、『明日の朝、早く起きないといけないから』などと適当な理由で拒否するようになる。それを続けているうちに、夫の要求がフェードアウトすれば、妻は心の中で『あー、よかった。ヘタなセックスに演技するのも大変なんだから』と思っていますよ」(山崎氏)
昭和の妻は「亭主元気で留守がいい」と夫を送り出し、夫は「仕事とセックスは家庭に持ち帰らず」と外でコトを済ませて帰宅した。ジェクスの調査では、配偶者や恋人以外の人とのセックスについても質問。それによると、“浮気率”は男性4割、女性3割だ。これを50代、60代で見ると、男性はそれぞれ35.6%、29.5%で、女性はそれぞれ27.4%、16.0%で、セックスパートナーを外に求める人が少なくないことがうかがえる。
■気持ちよさのキャッチボール
キム氏も山崎氏も「最高のセックスを実現するなら、特に男性が独り善がりなセックスをやめて相手に尽くすことが必要です」と口をそろえる。相手に尽くすとはどういうことか。キム氏が続ける。
「相手の反応を見ながら愛撫やキスの仕方を変えたり、ピストンの強さや角度を調節したりするのです。相手が痛がり、嫌がっていることを続けるのは論外。とにかく相手の反応をよく観察することです。相手が感じてくれば、顔は赤らみ、うっすらと汗をかく。膣は締まってきます。五感をフル動員して相手をチェックしてサービスすれば、相手もこちらを気持ちよくさせようとサービスしてくれます。セックスで相手に尽くすとは、気持ちよさのキャッチボールです」
そういうサービス精神のない夫は、妻に内心「ヘタくそ」と疎まれているのだが……。
「セックスがヘタな夫は妻の気持ちを読むのもヘタなので、妻の演技を『きょうも感じているな』と勘違いします。風俗が好きな人や女性経験の数を誇る人ほど、その傾向が強い。どちらも女性の気持ちをくみ取ろうとせず、自分勝手なセックスをしますから。そういう男性は要注意で、60代で最高のセックスどころか、自分勝手なセックスが離婚の原因になりかねません。60代で最高のパートナーと最高のセックスを楽しみたければ、相手に尽くす意識に頭を切り替えることです。女性は、相性のいい相手とのセックスは断りませんから」(山崎氏)
仕事もセックスも、人間関係の延長線上にある点では変わらない。独り善がりはダメなのだ。