60代で「人生最高のセックス」を実現させるための“意識改革” 独り善がりはNG!

公開日: 更新日:

 中高年にとってセックスは、レスが定番。先日最終回を迎えたテレビドラマ「あなたがしてくれなくても」で取り上げられたのも、セックスレスに悩む男女だった。しかし、人生最高のセックスがかなうのは意外にも60代だという。

  ◇  ◇  ◇

■女医の調査で判明

女医が導く60歳からのセックス」(扶桑社)の著者富永喜代氏は、医師で性を語るオンラインコミュニティーも主宰する。その富永氏の調査によると、人生で最高のセックスを経験した年代は60代が最多だという。

「ジェクス ジャパン・セックス・サーベイ2020」によると、男性は41.1%、女性は49.5%が「1年以上セックスをしていない」と回答。セックスレスの割合は、年齢が上がるにつれて高くなり、50~60代は男女とも7~8割に上る。セックスレスの期間は、60代男性が11.4年、60代女性が12.8年で、50代から“ご無沙汰状態”が続く人がほとんどだが、60代こそ最高のセックスとはどういうことか。

 セックスに関する相談窓口「せい相談所」代表のキム・ミョンガン氏が言う。

「60代で最高のセックスができるかどうかは、私のところに相談に来られる女性の悩みにヒントがあると思います。50歳くらいで更年期を迎える女性の中には、『もう一度女として見られたい』と考えてセックスを求めるようになることがある。しかし、夫には袖にされ続けているので、その対象にはなりません。それで、家庭の外で相手を探し、相性のいい人と巡り合うと、60代で最高のセックスができるようになるのです」

 30代、40代は男女とも仕事に忙しい。子どもがいれば子育ても大変だ。50歳前後になれば、子どもも手が離れ、仕事も落ち着く。女性は閉経という体の変化も重なり、「もう一度女として見られたい」という感情が生まれやすいという。

■21.5%はオーガズムに達しない

 キム氏に相談した50代の女性は、息子を産んでからセックスレスに。その息子が大学に進学。時間に余裕ができるようになり、久しぶりに夫婦で温泉旅行に出かけた。その夜、夫と肌を重ねることを期待したが、「いまさらどうした。寝よう」とピシャリと断られた。その言葉がショックで、マッチングアプリで相手を探すようになったという。

「いま思うと夫は自分勝手で、自分が射精するとすぐに寝てしまう。男性経験は夫のほかにもう1人で、その別の男性もそんな感じでしたから、そういうものかと思うしかありませんでした。でも、いまのパートナーに巡り合えて世界が変わりました。とても尽くしてくれるので、初めてイクことができたんです。セックスがとても充実し、気持ちが若返った気がしています」

 前出の調査で女性が抱えるセックスの悩みでは、「オーガズム(絶頂感)に達することができない」(21.5%)、「快感が得られない」(15.0%)が挙がる。

 これでは最高のセックスに程遠いが、この女性が言うように相手次第で十分変わるということだ。

 同じ調査で女性の62.4%はセックス中に痛みを感じている。閉経後は濡れにくくなり、痛みを感じやすいといわれる通りの結果だが、必ずしもそうではないらしい。

「前戯に時間をかけてくれるので、十分潤っていると思います。濡れにくいときはローションを使うので大丈夫です」(前出の50代女性)

 痛みを和らげる潤滑ゼリーやローションの使用経験は、男性が32.3%、女性が20.4%で、決して多くはない。「体に害がないか心配」「成分が分からない」がその理由だが、60代で最高のセックスを望むなら、ゼリーやローションの使用をためらってはいけないということだ。

 男女問題研究家の山崎世美子氏が言う。

「私のところには、最高のセックスとは真逆の苦痛を感じるセックスに悩む女性が来られます。その筆頭が痛みや性欲の不一致で、自分本位な男性が女性を思いやることなく欲望のままに突き進むから、男女間に溝が生まれるのです。その溝が一定の深さになると、女性は離婚を考えるようになります。先日、相談に来られた60代の女性は夫の要求に耐えかねて、婦人科を受診。出血など膣に外傷を受けたとの診断書をもらって、離婚を迫ったほど。夫は慌てて『すまなかった。これからは気をつける』と言ったそうですが、言葉だけで妻の気持ちを理解しようとしないので、10日ほどで『セックスしないで夫婦といえるのか』と開き直り、強引に妻に求めるようになりました」

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…