後ろ向き経営の三越伊勢丹にコロナ禍が容赦なく追い打ち
「伊勢丹新宿店、日本橋三越本店、銀座三越の基幹3店舗が緊急事態宣言の翌日の4月8日から食品売場も含め全館休業していることが響いた。この3店で三越伊勢丹直営店の売上高の8割以上を占めているのです」
ライバルの高島屋は4月8日以降も大半の店舗で食品売場だけは営業を続けたのと対照的だ。
■「何のために早期退職募集に応じたのか」と悔しがるOB
「業界の盟主としての気概がまったく感じられない」と憤るのは三越伊勢丹のOB。数年前に早期退職募集に応じた。
「辞めたくはなかったが、会社の窮状を考えると、決断せざるを得なかった。実質的にはクビですよ。こうして屍になった我々の気持ちを踏みにじるような状況に陥っているのは残念というより、腹立たしい。何のために辞めたのかと思ってしまう」
39県における緊急事態宣言解除を受け、5月16日、仙台三越、福岡三越など4店舗、18日には静岡伊勢丹など3店舗が営業を再開した。だが、基幹3店舗など首都圏の6店舗はいまだ、食品売場を含め全館が休業を続けている。