パー券裏金疑惑で4閣僚、5副大臣が交代…パージされた安倍派が一気に「反岸田」と化す日
萩生田政調会長のシタタカな辞意表明
松野官房長官、西村経産相、高木国対委員長、世耕参院幹事長ら安倍派幹部「5人衆」は、パー券売り上げのキックバックの疑いが報じられた際、「事実関係を慎重に調査・確認をして、適切に対応していく」「与えられた職責を全うしたい」と判で押したような発言だった。地位に汲々としていると見えなくもなかった。だが、そんな中で“先手”を打って自ら辞意を表明したのが萩生田氏だ。14日、政調会長の辞表を提出するが、「私の責任も(交代する4閣僚と)同等またはそれ以上にある。出処進退は自分で決めたい」と11日に発言したことが、安倍派内での評価を高めているという。
「岸田首相に対して辞表を叩きつけた。更迭させないという強い意思表示だろう。今回のことを受け、安倍派内では『やっぱり集団指導体制じゃダメだ』という声も出てきている。来年の総裁選に向け、派閥会長を決めるべきという動きになっていくのではないか。萩生田さんはシタタカに計算している」(自民ベテラン)
閣僚や党執行部のポストがなくなり、安倍派が弱体化するのは間違いないが、たとえ何人かが派閥を抜けたとしても最大派閥であり、90人の固まりは岸田首相には脅威だ。
「萩生田さんは菅前首相にも近い。安倍派が非主流派と組んで『岸田降ろし』に回ることもあり得る。もっとも、それを警戒して岸田首相は萩生田さんを人事の相談相手にするなど、他の5人衆とは別格扱いしてきた。萩生田さんがどう動くか。年明け以降の状況次第ではある」(別の自民ベテラン)
来年度予算成立後の内閣総辞職――。そのシナリオが現実味を帯びてきた。