JBS 牧田幸弘社長(1)営業マンからシステム会社を創業
マイクロソフトのクラウドサービスの導入とサポートを手掛けるJBS(日本ビジネスシステムズ)。2022年8月に東証スタンダードに上場を果たした同社は、売上高1128億円(23年9月期)の大型IT企業だ。
しかし、その創業は1990年と意外に古い。なぜ上場まで32年もの歳月を要したのか。牧田幸弘社長(67)はこう語る。
「正直言って、今まで上場する必要性をあまり感じなかったのです。顧客には恵まれていたし、社員の採用も順調にできていた。ただし、よりお客さまにふさわしい企業になるには、このタイミングで上場することが得策だと判断したのです」
牧田は1979年、慶応義塾大学卒業後、日本IBMに営業マンとして入社。8年連続でセールス1位を獲得する成績を収めた。しかし、顧客のニーズに応えるためには自由にシステムを組む必要があると考え、1990年に33歳の若さでJBSを創業する。
当初は、港区芝の雑居ビルの2階で、机1つ電話1台からのスタート。最初のオフィスに用意したのはそれだけだった。営業に出ると電話に出る人がいなくなるというトラブルにも見舞われたが、すぐにアルバイトを雇って切り抜けた。