著者のコラム一覧
姫田小夏ジャーナリスト

中国・アジアを身近に捉える取材に取り組む。中国ウオッチは25年超、中国滞在経験も長い。アジア・ビズ・フォーラム主宰。日刊ゲンダイでの連載などをもとに「ポストコロナと中国の世界観 」(集広舎)。

マレーシアの伊勢丹「ジャパンストア」には閑古鳥が…“チームニッポン”だけでは愛されない

公開日: 更新日:

 振り返れば20年前、中国・上海では日本ブランドが売れまくっていた。日系の商業施設では、アパレルから化粧品、日本酒、リンゴに至るまで、高級な日本ブランドが富裕層の間で歓迎された。近年、脱中国の動きとともに日本ブランドの主戦場は東南アジアにシフトしたが、日本ブランドの快進撃は続いているのだろうか。

  ◇  ◇  ◇

 成田空港からおよそ7時間半。マレーシア(人口約3350万人)の首都クアラルンプールは、今や日系商業施設の主戦場だ。だが、ここに10年近く在住する日本人は、「日本ブランドももうそろそろかな……って感じです」と言う。ショッピングモールや飲食店、アニメキャラグッズ販売など日系資本の進出が続いているが、一部を除いて地元市民にはあまり響いていない、というのだ。

 筆者は今年3月、クアラルンプール屈指の商業地ブキビンタンの「イセタン・ザ・ジャパンストア」を訪れた。その日は、一年で最も消費が活発になる「断食明けのハリラヤ」目前の土曜日。だが同店は信じられないほど客がいなかった。

「イセタン・ザ・ジャパンストア」が開業したのは2016年のことだ。扱う商品は主に日本からの輸入品。三越伊勢丹HDが約10億円、官民ファンド「クールジャパン(CJ)機構(海外需要開拓支援機構)」が9.7億円を出資して運営子会社を設立したが、鳴かず飛ばずが続き、日本のビジネス誌などで「税金の無駄遣い」が問題にされてきた。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    大阪万博会場の“爆発”リスクはやっぱりヤバい…高濃度メタンガス問題に国や府は安全強調も、識者が疑問符

  2. 2

    大阪万博は開幕直前でも課題山積なのに危機感ゼロ!「赤字は心配ない」豪語に漂う超楽観主義

  3. 3

    「いきなり!ステーキ」倒産危機から一転…黒字転換&株主優待復活でも“不透明感”漂うナゼ

  4. 4

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  5. 5

    農相が備蓄米の追加放出表明も「中小の米屋には回って来ない」…廃業ラッシュで地域の安定供給が滞る恐れ

  1. 6

    トランプ関税「交渉役」に大抜擢…石破首相の腹心こと赤沢亮正経済再生相の“ホントの実力”

  2. 7

    トランプ大統領「日本でアメ車が売れない」ボヤきのデジャビュ…非課税障壁でっち上げ“市場開放”要求のお門違い

  3. 8

    「へグセス疑惑」再燃…「有事では日本が前線に」発言の国防長官が危険視される理由

  4. 9

    大阪万博を追いかけるジャーナリストが一刀両断「アホな連中が仕切るからおかしなことになっている」

  5. 10

    大阪万博の目玉 344億円の巨大木造リングはほぼフィンランド産…「日本の森林再生のため」の嘘っぱち

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広末涼子が危険運転や看護師暴行に及んだ背景か…交通費5万円ケチった経済状況、鳥羽周作氏と破局説も

  2. 2

    広末涼子容疑者「きもちくしてくれて」不倫騒動から2年弱の逮捕劇…前夫が懸念していた“心が壊れるとき”

  3. 3

    佐藤健は9年越しの“不倫示談”バラされトバッチリ…広末涼子所属事務所の完全否定から一転

  4. 4

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  5. 5

    露呈された韓国芸能界の闇…“兵糧攻め”にあうNewJeansはアカウントを「mhdhh」に変更して徹底抗戦

  1. 6

    大阪万博ハプニング相次ぎ波乱の幕開け…帰宅困難者14万人の阿鼻叫喚、「並ばない」は看板倒れに

  2. 7

    大阪・関西万博“裏の見どころ”を公開!要注意の「激ヤバスポット」5選

  3. 8

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  4. 9

    広末涼子が逮捕以前に映画主演オファーを断っていたワケ

  5. 10

    中居正広氏は元フジテレビ女性アナへの“性暴力”で引退…元TOKIO山口達也氏「何もしないなら帰れ」との違い