マレーシアの伊勢丹「ジャパンストア」には閑古鳥が…“チームニッポン”だけでは愛されない
「クールジャパン商法」も曲がり角に
18年に三越伊勢丹HDは運営子会社を完全子会社化するが、日本ブランドを束ねて売り込む“クールジャパン商法”もすでにこのときから曲がり角にあったのかもしれない。
筆者の目の前にあるのは、日本からそのまま移設してきたかのような売り場づくりだ。閑散ぶりからは、地元市民に愛されてはいないことがわかる。売り場改革は進んでいるのだろうか。筆者の問いに対する三越伊勢丹HDからの回答は「現在新しくお伝えできるトピックは特段ございません」というものだった。一方、日系商業施設の内情に詳しい現地在住のコンサルタントは次のように話している。
「もはや立て直しができない局面まできているのではないでしょうか。魅力あるものをプレゼンする力もなく、店舗再建に向ける情熱もない。かといって解散するだけの力もない……」
数々の日本ブランドやテナントを集める“チームニッポン”の構想まではよかったが、相乗効果を出すどころか、これでは共倒れだ。 (つづく)