TOPPANホールディングス(下)紙印刷は減っても3期連続増収 エレクトロニクスが牽引役に
家の床、壁、家具の表面シート、食品パッケージなどに使われる包装資材などの需要が増しているほか、半導体部材などが拡大している。
特に半導体を中心としたエレクトロニクス事業は、規模は全体の15%に過ぎないが、利益は半分を占め、業績の牽引役となっている。
具体的な製品としては、ディスプレーやイメージセンサー用のカラーフィルタ、ディスプレーの反射防止用などの機能性フィルム、半導体製造のためのフォトマスク、さらには半導体パッケージ基板などで、今後も成長が期待できる分野だ。
印刷とはまるで関係ないように見えるが、いずれも印刷で培ってきた微細加工技術がベースとなっている。このように印刷技術をデジタルやIT化に応用したのが今のTOPPANであり、それは今後ますます加速する。社長人事を見てもそれは明らかだ。
1981年以降、TOPPANには5人の社長が誕生している。そして現在の麿秀晴社長以外の4人はすべて文系。営業部門で頭角を現し、社長にまで上りつめた。
しかし麿社長は山形大学工学部出身。入社後しばらくは営業部門に配属されるが、その後、GLバリアという食品パッケージに使われるフィルム開発に携わる。現在、このフィルムは世界シェア3割を誇るヒット商品となっている。