著者のコラム一覧
真保紀一郎経済ジャーナリスト

TOPPANホールディングス(下)紙印刷は減っても3期連続増収 エレクトロニクスが牽引役に

公開日: 更新日:

 家の床、壁、家具の表面シート、食品パッケージなどに使われる包装資材などの需要が増しているほか、半導体部材などが拡大している。

 特に半導体を中心としたエレクトロニクス事業は、規模は全体の15%に過ぎないが、利益は半分を占め、業績の牽引役となっている。

 具体的な製品としては、ディスプレーやイメージセンサー用のカラーフィルタ、ディスプレーの反射防止用などの機能性フィルム、半導体製造のためのフォトマスク、さらには半導体パッケージ基板などで、今後も成長が期待できる分野だ。

 印刷とはまるで関係ないように見えるが、いずれも印刷で培ってきた微細加工技術がベースとなっている。このように印刷技術をデジタルやIT化に応用したのが今のTOPPANであり、それは今後ますます加速する。社長人事を見てもそれは明らかだ。

 1981年以降、TOPPANには5人の社長が誕生している。そして現在の麿秀晴社長以外の4人はすべて文系。営業部門で頭角を現し、社長にまで上りつめた。

 しかし麿社長は山形大学工学部出身。入社後しばらくは営業部門に配属されるが、その後、GLバリアという食品パッケージに使われるフィルム開発に携わる。現在、このフィルムは世界シェア3割を誇るヒット商品となっている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇