自民党「地域金融議連」が初会合 「公租公課税滞納」倒産が重要な“裏テーマ”か?
6月20日に自民党の有志議員が立ち上げた地域金融機関の取り組みを後押しする「地域金融議員連盟」が金融界で注目されている。会長には財務省OGの片山さつき参院議員が、事務局長は同じく財務省出身の滝波宏文参院議員が就いた。初会合には小泉進次郎元環境相のほか財務省出身議員ら50人あまりが出席した。
議連は、「新型コロナウイルス禍の実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)で企業の倒産が抑えられたことから、地域金融機関の社会インフラとしての重要性を訴える」としており、会長の片山氏は「地域金融機関がいかに生き残るかには政治が必要だ」と語った。党の金融調査会とは別に、機動的に金融機関への支援を議論するとしている。
一方、金融界では議連の取り組みについて、「コロナ対応の政府の施策が終了し、中小企業の倒産が急増しつつある。そのツケは地方の金融機関に及ぶ。議員連盟はそうした問題意識がある」(メガバンク幹部)とみている。
そのひとつ、重要な「裏テーマ」とみられているのが、「公租公課滞納」倒産の急増だ。
帝国データバンクの調査によると、消費税や固定資産税、厚生年金保険などの「公租公課」を納付できない、または滞納による差し押さえで経営に行き詰まった「公租公課滞納」倒産は、2023年度に138件判明した。その後も月次ベースでは、24年1月が14件、2月が16件、3月が20件と、過去最多を更新し続けている。