日本株「試金石の7月」に…年初から9000円上げたが高揚感なし、景気や政治と乖離
日経平均株価(終値)は、先週11日に4万2224円と史上最高値を更新した。大発会(1月4日)の安値3万3288円から約9000円も値上がり。価格形成に決定力を有しているのは、市場売買代金の約6割を占める海外投資家である。
実際、日本取引所グループの投資主体別売買動向(週間)を見ると海外投資家は、5月4週から6月3週まで5週連続で売り越したが、6月4週に買い越しに転じ、7月1週も買い越し、それぞれ1239億円、1836億円の買い越しだった。これが日経平均株価の高値更新の要因であろう。
逆に、個人投資家は6月4週に売り越しに転じ、7月1週も売り越し、それぞれ4885億円、4966億円の売り越しと利益確定に動いたことがわかる。ただ、主に海外投資家は日経平均株価に採用される大型株を、個人投資家は中小型株を売買と投資対象は異なる。
1981年以降の日経平均株価の年間高安の差異(終値:高値-安値)が8500円以上となったのは、上昇相場の88年8941円、89年8732円、2020年1万1015円、下落相場の90年1万8491円、92年9491円の5回しかなく、今年は約半年で約9000円と、この43年間の平均値5110円から見ても異常に見える。なぜなら、過去のバブル期のような、暮らしに高揚感がないからだ。