著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

第1次世界大戦を招いたヨーロッパの列強体制

公開日: 更新日:
ガスマスクをかぶってマシンガンを担当する兵士たち(C)World History Archive/ニューズコム/共同通信イメージズ

 1914(大正3)年6月28日、ボスニアを訪問中のオーストリア帝国の皇太子夫妻が、セルビアの民族主義団体に所属する青年に暗殺された。この暗殺事件が発端となって4年余にわたり、欧州全土を巻き込む戦争に発展すると考えた者はいなかった。せいぜい3、4カ月で片付く戦争であろうと誰もが予…

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