国民愚弄の裏金議員党内処分 ふざけた内幕と今後の内ゲバ(上)
巨額の裏金をつくった萩生田の大甘処分と呆れた裏側
2時間以上続いた党紀委は大荒れで、出席者からは「処分が厳しすぎるのではないか」といった声も上がったそうだ。
まるで、侃々諤々の議論が交わされたかのようだが、そんなわけはない。始まる前から処分内容は執行部が決定済みで、委員会は決定事項をなぞるだけ。中身はスカスカだ。肝心の実態解明を脇に置いた、いつもの“やってる感”である。
それに、今回の処分の線引きには、執行部の個人的な「好き嫌い」がバッチリと反映されている。象徴的なのは、萩生田前政調会長の扱いだ。組織的な裏金づくりをやっていた安倍派の幹部であり、裏金額は党内3位の2728万円。一部を、事務所の机の鍵付きの引き出しで管理してもいた。まるで、脱税企業トップの「現金隠し」のようなヤリ口である。にもかかわらず、下されたのは1年間の「役職停止」という大甘処分だ。
「萩生田さんを軽い処分で済ますことにこだわったのは、茂木幹事長でした。次期総裁選を見据え、萩生田さんと、彼に連なる安倍派の若手・中堅を取り込もうと画策したのです。萩生田さんのバックにいる森元首相への配慮もあるのでしょう。岸田総理も、非主流派の菅前総理らとパイプがある萩生田さんに厳しい処分を下すべきではないと判断したようだ。敵に回すと手痛いしっぺ返しを食らいかねない。味方につけておきたいと考えたそうです」(官邸事情通)
党内政局で処分の軽重。ほとほと呆れ返る。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)が言う。
「萩生田氏は党内トップクラスの裏金額なのに、政倫審にも出席せず、説明から逃げていました。本来、真っ先に重い処分を下すべきでしょう。なのに、岸田首相は自らの延命、茂木幹事長は勢力拡大のために軽い処分にしたわけですから、あまりにも見苦しい。そもそも、裏金事件の実態を解明して、それぞれの議員の悪質さを評価した上で処分内容を決めるべきでした。それをしなかったのは、早期幕引きを狙ったからに他ならない。あらゆる意味で国民をバカにした対応というしかありません」
裏金政党は一事が万事、この調子だ。
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