地下鉄サリン事件から30年…公安調査庁や足立区が警鐘「オウムは危険」「風化させるな」
日本列島が恐怖におののいた地下鉄サリン事件の発生からまもなく30年。団体規制法に基づき、オウム真理教の観察を続ける公安調査庁が特設サイト「オウム真理教問題デジタルアーカイブ」を公開し、その危険性を訴えている。サイトはオウムが起こした数々の凶悪事件の概要や、遺族らのインタビュー動画などで構成されている。
「サリン事件から30年が経過し、オウムを知らない若い世代が増えています。オウムは名称を変えて活動を続けており、拒否感や危機感がない若者らを取り込もうとしています。事件を風化させないため、若者世代にオウムが危険な団体だと知ってもらうためにサイトを開設しました」(公安調査庁)
破産に伴って表向き消滅したオウムは分派。「アレフ」「ひかりの輪」「山田らの集団」などとして活動を続け、「約1600人の構成員を擁している」(同前)という。
長男を脱会させて恨みを買い、猛毒ガスVXによる襲撃に遭った「オウム真理教家族の会」の永岡弘行代表が言う。
「私はサリン事件を起こす前からオウムは危険な団体だと言ってきました。30年経過した今でも信者たちは教祖・麻原彰晃への恐怖心にとらわれ、自分の頭で考えることができないように思います。彼らが“何が正しいのか”に気づくまで、私は声を上げ続けます」
アレフの施設が3カ所ある足立区は、サリン事件の風化防止を目的とした条例案を議会に提出。成立すれば全国初だ。